2025年6月18日、エネルギー業界のシニアリーダーたちが「チャタムハウス・ルール」に基づき、ジャパン・エネルギー・サミットにて「アジアにおける水素需要の加速」をテーマとしたリーダーシップ・ラウンドテーブルを開催しました。

本セッションでは、アジア主要需要国とグローバルな供給国がどのように協力し、投資リスクを軽減しながら、レジリエントかつ拡張可能な水素・アンモニア市場を共に構築できるかが議論されました。

参加者の議論は率直ながらも前向きで、課題の大きさを認識しつつも、実践的で協調的な解決策に焦点が当てられました。主なテーマは、大胆な政策枠組み、現実的なインフラ整備、そして国際的な協力の強化でした。本報告書は、対話から導き出された主要な洞察と推奨される行動をまとめたものです。

アジア全域で排出削減に向けた競争が加速していますが、その道のりは依然として複雑です。

経済成長が依然として最優先事項である一方で、エネルギーおよび産業界のリーダーたちは、進化する規制の枠組み、変化するグローバル市場の動向、そして高まる世論の期待により、気候目標において具体的な進展を示すことが強く求められています。

このセッションでは、高官クラスの政策立案者、業界リーダー、戦略担当者が集まり、成長を損なうことなく、効果的な排出管理システムをどのように前進させるかについて議論しました。議論では、信頼性のあるデータに基づき、メタン削減の推進や国境を越えた連携の強化を通じて、政策および市場の高まる期待に応える、実現可能で経済的に持続可能な道筋を明らかにすることに焦点が当てられました。

世界的なエネルギー転換が加速する中、天然ガスおよびLNGは、短期的なエネルギー安全保障と長期的な脱炭素目標とのバランスを取るうえで、依然として重要な役割を担っています。

本ラウンドテーブルでは、2035年までのLNG市場を形成する主要な要因について議論が行われました。アジアでの需要拡大や欧州のガス政策の変化、契約形態の変遷、投資の妥当性、輸送戦略の変化などがテーマとなりました。

デジタル経済の拡大とクラウドサービスの普及に伴い、データセンターは日本の技術インフラおよび競争力にとってますます重要な存在となっています。しかしこの成長は、電力需要の急増を伴っており、すでにエネルギー安全保障、高騰する電力価格、そしてカーボン排出削減目標への対応に苦慮している日本にとって、新たな課題を突きつけています。

このラウンドテーブルでは、国内外のデータセンター開発の傾向、主要な律速と課題、そして解決策や新たな機会について、主要リーダーおよび関係者が一堂に会して議論を行いました。日本の持続可能なデータセンターの未来を支える、信頼性の高い電力供給体制の加速的な整備を目指します。